更新日:2008年9月3日
Vol.249:県外編 姫路城と周辺(兵庫県)

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薄暗くひたすら広い城内部

写真 白鷺城とうたわれ、日本で最初のユネスコ世界文化遺産に登録された姫路城。平成21年秋から45年ぶりの本格修理に入ると聞き、それまでに一度見ておこうと、JRの新快速で出発した。大津から約2時間で姫路駅に到着。大手前通りの一筋東側のみゆき通りを抜けると、姫路城の何層にも重なる屋根が現れる=写真(1)。その瀟洒(しょうしゃ)な姿に見とれながら大手門をくぐり、三の丸広場を通って正面登閣口へ。姫路城シルバー観光ガイドの三木数政さん
(68)の案内で、タイムスリップの旅へ踏み出した。
 17世紀初め、西国の武将池田輝政が8年の歳月をかけて築城。のちに、徳川家康の孫、千姫が嫁した本多忠刻の頃に西の丸などを増築し、現在の姿に。内堀だけで7万坪、総面積は70万坪におよぶ。白しっくいで塗り込められた大天守と三つの小天守がつくりだす優美な外観で知られるが、戦時に備えて考えつくされた軍事的な要塞だ。
 菱の門から左手の石段をのぼり、千姫に仕えた侍女たちが住んだとされる西の丸の長局(ながつぼね)に。長方形の部屋がいくつも並ぶ女性たちの空間にも、「石落とし」など敵の侵入を防ぐ仕掛けが見られた。
 「はの門」から、これも敵を惑わすためという迷路のような道を通って、「水五門」にたどり着く。「ここからがいよいよ大天守ですよ」と三木さん。典雅な外見とはうらはらに、内部は薄暗くひたすら広い=写真(2)。篭城に備えて台所やかわやが設けられていたり、火縄銃の縄をかける釘が打たれていたりと、当時のきめ細やかな配慮に感心した。
 西側の庭園、好古園内の活水軒で昼食。明石の穴子を丸一匹特製ダレで焼き上げてつくる「穴子弁当」(1575円)=写真(3)=をいただく。穴子の香ばしさとタレのやさしい甘さが上品な味わいで、これからの行程に向けて活力がわいてきた。
 好古園を出て川沿いの「千姫の小径」=写真(4)=を通り、姫路城の外側をぶらぶら半周ほど歩くと、明治時代の建物を利用した外観が美しい市立美術館に着いた。樹木や芝の緑と、赤いレンガの建物のコントラストに見とれながら、しばらく庭園で足を休めた。
地図 大手前通りからバスに乗り、書写山ふもとの姫路市書写の里・美術工芸館まで足を延ばす。同市出身で東大寺管長をつとめた清水公照氏の作品や色鮮やかな郷土人形や玩具などを見ることができる。また、姫路はりこの絵付け体験=写真(5)は、ウサギやキツネなどのお面や人形に色を塗り、自分だけのオリジナルをつくることができ、旅の記念にお勧め。
■姫路城 午前9時〜午後4時(閉門は1時間後)。入城料600円◇美術工芸館 JR姫路駅から神姫バス「書写山ロープウェイ」行きで約25分、終点下車。午前10時〜午後5時。入館料300円。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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