


JR京都駅から特急はしだてに乗り約2時間、海水浴客でにぎわうKTR天橋立駅に降り立った。初めに向かったのは堂々とした山門を構える智恩寺(文殊堂)=写真(1)。「三人寄れば文殊の知恵」で有名な日本三文殊の一つで、丹後地方唯一の室町建築である多宝塔など、境内には多数の文化財がある。「智恵の文殊堂」として受験生らに人気のある同寺で、「いい記事が書けますように」と取材の成功を願った。お参りのあとは、山門前に並ぶお茶屋で、知恵が授かるという「智恵の餅」も食べておこう。
日本三景・天橋立の絶景を堪能するなら、山上から見るのがお薦めという。駅近くからリフトに乗って文殊山山上の天橋立ビューランドへ。ここからの眺めは、天橋立が天に舞い上がる龍のように見えることから「飛龍観」と呼ばれる=写真(2)。観光客にまじって有名な「股のぞき」を試してみた。約7000本の松並木が白砂に縁取られ、青い海にくっきりと際立っている。じいっと見つめていると海と空の青の境が次第に消え、何千年もの年月をかけて自然が作り出した稀有(けう)な地形が、大空にうねるように昇る龍の姿に見えてきた。
山から下り、船が通行できるように90度回転する「廻旋橋」を渡って、「日本の道100選」に選ばれた府道・天の橋立線を歩いてみた。途中、海に囲まれた中で真水が湧き出ている不思議な井戸・磯清水の「名水百選」=写真(3)=の水でのどを潤し、夕暮れに天橋立が海を渡る線路のように見えることから名付けられた「トワイライト・レールロード」の木陰を抜けて「対岸」に到着した。片道約1時間の散歩コースだ。
そろそろおなかがすいてきた。海の町・宮津に来て、新鮮な海の幸を食さずにはいられない。駅前に戻り、松和(しょうわ)物産で、人気メニュー・旬の魚介を盛り込んだ「海鮮丼」=写真(4)=を味わう。ご飯を埋め尽くす海の幸に感激しながらほお張ると、口中いっぱいに海の香りが広がった。
散策後、少し足を延ばして天橋立ワイナリー(0772・27・2222)へ。ブドウ畑に囲まれた同ワイナリーでは、白ワインを使ったソフトクリームや発酵途中のワインなど工場でしか味わえない味覚が楽しめ、試飲も出来る。生ブドウ100㌫使用、非加熱処理製法で作る天橋立ワインは、果実味の豊かさが特徴。「9月末ごろには、この夏収穫のブドウで作る早飲みワインを楽しんで頂けます」と代表の大銅美則さん(58)=写真(5)。建物2階から一望できる横からの天橋立も趣があった。
リフトは、往復850円。天橋立ワイナリーへは、天橋立駅からバスで約20分、丹後資料館前停留所から徒歩約5分。ほかに、傘松公園や成相寺などの名所もある。