更新日:2008年8月13日
Vol.247:日本庭園(6)興聖寺(高島市朽木岩瀬)

写真1写真2地図

足利将軍を迎えるための庭

写真3 曹洞宗高巌山興聖寺=写真(1)=の旧秀隣寺庭園を訪れた。国の名勝指定の池泉回遊式庭園で、1530年、朽木稙綱(たねつな)を頼って室町幕府12代将軍の足利義晴が滞在した際、作庭したとされる。「本当ならば、足利庭園というほうがぴったりくるのですが」と副住職の森泰孝さん(56)。国道沿いの看板にも、足利庭園と表示されている=写真(2)。作庭当時は付近に秀隣寺があったため、先々代が旧秀隣寺庭園と名付けたそうだ。秀隣寺がやや北側の朽木野尻に移転した後、江戸時代に興聖寺がここに移転してきた。同寺の開基は朽木家の祖である佐々木信綱で、代々朽木家の菩提寺となっている。
写真4 庭からの比良山系の眺めは雄大だ。「オグラス」と地元で呼ばれている蛇谷ヶ峰が見える。「ここに足利将軍が座り、曲水の宴を楽しんでいた」と森さんが指をさす先には、腰をかけるのに程よい高さの石が並んでいた=写真(3)。盃(さかずき)を浮かべて詩歌を詠む優雅な宴会の姿を想像した。
 庭は当時作られたときのままだという。鶴が羽ばたく様子を模した鶴島=写真(4)、末広がりを示す「八」本のヤブツバキなど、将軍の健康などを祈願した縁起のいいモチーフが並んでいる。
 関西花の寺二十五カ所の一つでもある。樹齢480年のヤブツバキが咲く4月中旬〜5月の時期には、池に椿の花びらが落ちて美しい。

JR安曇川駅から、江若バスで約30分、「岩瀬」下車。拝観料300円。問い合わせは(0740・38・2103)へ。      

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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