更新日:2008年4月23日
Vol.235:工芸品をめぐる(5)大津絵(大津市三井寺町) 

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素早く描くための独特の技法

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 大津市の園城寺(三井寺)を守護する神社として栄えた長等神社。長等神社の参道にある「大津絵の店」=写真(1)=を訪ねた。
 「大津絵の筆のはじめは何仏」。元禄のころ、芭蕉が詠んだ有名な句だ。元々、仏画で阿弥陀(あみだ)仏、十三仏、地蔵などが描かれ、のちに風俗画になったと伝わる。寛永年間(1624〜44年)に大津絵が生まれ、逢坂山を越えた大谷・追分あたりで旅人に売られていたといわれる。
 「大津絵は同じ絵を素早く、大量にその場で描くことが求められたので、その特徴が出ています」と大津絵の店5代目髙橋信介さん(37)は話す。
 穴の開いた型紙を使って刷り込んでいく「合羽摺り(かっぱずり)、部分部分でスタンプのように絵柄を押す「版木(はんぎ)押し」など、迅速に描くための独特の技法を用いて描く。店内奥の工房で信介さんの父で4代目髙橋松山さん(77)も制作していた=写真(2)。
 大津絵は県の伝統的工芸品。現在、画題は100を超える。店内には掛け軸から、おみやげ用のはがきやうちわなどが並び、有名な「鬼」や「藤娘」などの人間風刺を含んだポーズや表情に魅了された=写真(3)。
 信介さんは「大津絵は同じものを繰り返し描くので、良し悪しが分かりやすい。一生懸命父の技術を追いかけています」。松山さんは「純粋に本筋の技術を保ち、守ることは本当に難しい。芯を崩さずに、次の世代の考え方も取り入れていきたい」と話していた。

■「大津絵の店」(077・524・5656)
は京阪三井寺駅から徒歩約10分。第1、3日曜休み。大津、草津などで大津絵教室が開かれている。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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