更新日:2008年3月5日
Vol.231:工芸品をめぐる(1)桶・樽(竜王町林) 

写真1 写真3地図

丸みや勾配の多くの型用意

写真2

 豊かな自然と田園風景が広がる竜王町。1927年から桶(おけ)、樽(たる)を作り続ける「桶繁(おけしげ)」を訪ねた。
 湯桶、おひつなど=写真(1)=を注文に応じて長野県産の椹(さわら)で手作りしている。外からも見える工房では直径1・5メートルの大きな湯船が作られている最中だった=写真(2)。「椹は水に強く、収縮が少ないので向いているのです」と3代目村田茂朋さん(44)。
 桶や樽を作る上で最も重要で難しいのが丸みや勾配(こうばい)のつけ方だ。祖父の代から改良しながら残している50以上の型を用いて、かんなで仕上げていく。85年に「桶繁」の桶、樽は県伝統的工芸品に指定された。第19回全国育樹祭で使用されたしゃく、桶などや京都の葵祭で使用された手桶なども手がけた。
 「昔に比べ需要は減っているが、一つ一つぬくもりのある手作りが信用されています。『村田さんならあんばいしてくれはる』と言われることが作り続ける理由です」
 「桶繁」を出てしばらく車を名神高速道路方向に走らせると重厚な茅葺(かやぶ)き屋根の門を見つけた=写真(3)。近郷33カ村の総社である苗村神社(0748・57・0160)の楼門(重要文化財)だった。

 楼門をくぐると趣のある西本殿(国宝)があり、現在、2014年秋に開催される33年に一度の大祭「三十三年式年大祭」に向けて準備が始まっていた。苗村不動明王が安置されている不動堂の改築が進み、11月に完成予定。神社の禰宜(ねぎ)小野定章さん(45)は「恵まれた自然と建物。平成時代の大祭に向けて準備が始まりました。皆様に貴重な大祭に触れてもらい、祭礼を守り続けたいです」と話していた。

「桶繁」(0748・57・0650)は同町林。苗村神社はJR近江八幡駅からJRバス川守下車、徒歩約10分。 

 

 

 

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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