更新日:2007年11月28日
Vol.223:ロケ地めぐり(4)俺は、君のためにこそ死ににいく(五個荘金堂町)
写真2 写真3 地図

知覧の町並みとして画面に

写真3

 近江商人発祥の地の一つ、東近江市五個荘。中心に位置する金堂町には近江商人たちの本宅や歴史ある町並みが残る。5月に公開された「俺は、君のためにこそ死ににいく」の撮影が昨年、行われた。
 舞台は太平洋戦争の末期に特別攻撃隊の基地となった鹿児島県川辺郡知覧の町。多くの特攻隊員に「母」と慕われた富屋食堂を営む鳥濱トメの視点から、若くして命を落としていった隊員たちの真実の姿を描いた作品だ。石原慎太郎東京都知事が本人から直接聞いた話を基に、脚本、製作総指揮を担当したことで話題となった。
 金堂町は、舞台となる知覧の町並みとして多くの場面で使われている=写真(1)、滋賀ロケーションオフィス提供。空き地には「富屋食堂」のセットが組まれ、アスファルトの道路に砂をまいて撮影が行われたそうだ。町を歩いていると、次々と見覚えのある景観と出合った。映画の場面を思いながら商人屋敷を訪れた。
 まず訪れたのは外村繁邸。作家として数多くの作品を残した生家は物静かで、窓からは絵画のように美しい庭が見える=写真(2)。腰を下ろして風情を味わい、近くの外村宇兵衛邸、中江準五郎邸をめぐった。商人屋敷を管理する福本克己さんの「時間があるならぜひ藤井彦四郎邸も見て欲しい。こちらの3館とは違った豪華な屋敷です」という言葉に後押しされて、隣の宮荘町に足を延ばした。
 一代にして成功を収めた藤井彦四郎邸は敷地総面積8155平方メートルを誇る豪邸。特に彦四郎自身の構想で作られた庭園は雄大だ=写真(3)。近江商人が築いた古い町並みが、特攻隊員が歩いた知覧の町と重なり、戦争中の悲しい出来事を思って胸が痛んだ。 JR能登川駅からバス約10分、「金堂」または「生き活き館前」下車。近江商人屋敷は午前9時半から午後4時半まで。月曜と祝日の翌日休館。有料。問い合わせは(0748・48・3399)へ。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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