更新日:2007年10月3日
Vol.217:工場見学(4)蔵元藤居本家(愛荘町長野)
写真1 写真2 写真4 地図

酒の要の水は実にまろやか

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 天保2年(1831年)創業、宮中祭祀(さいし)「新嘗(にいなめ)祭」にお神酒を献上する酒蔵。鈴鹿山系を源とする愛知川の伏流水と湖東平野の肥沃(ひよく)な地で育った米を使用し、能登杜氏(とうじ)が技術の粋をつくして造り上げた酒は全国の酒通を魅了してやまないという。7代目蔵元・藤居鐵也さん(59)の案内で、酒蔵を見学した=写真(1)。 同家は、店舗兼事務所と東蔵、宮蔵から成る。土壁に二重屋根構造という昔ながらの情景が残る東蔵は、NHK連続テレビ小説「甘辛しゃん」の撮影舞台としても有名だ。現在、東蔵では主な作業は行われておらず、宮蔵での作業が大半。十数年前から「酒文化を通し、日本の歴史や文化、伝統を見直して欲しい」と、酒蔵見学を始めた。 趣ある玄関を抜けると、甑(こしき)と呼ばれる大釜が目に飛び込んできた=写真(2)。蒸場で、洗米された酒造好適米がここで蒸される。蒸された米は麹室(こうじむろ)へと運ばれ、酒母造り、醪(もろみ)造り、上槽を経て日本酒となる。圧巻だったのは、数十もの貯蔵タンクが並ぶ部屋。総ケヤキ造りで、当主の母・静子さんが建築の勉強を重ねて建てたもの。樹齢700年を越すケヤキなどが使われている。最後に、酒の要である水を味わう=写真(3)。軟水で口当たりが実にまろやかだった。 見学の後は試飲。半世紀ぶりに栽培が復活した酒米「滋賀渡船(わたりぶね)6号」で仕込んだ酒は、野性味と味わい深いコクがあると大人気。店舗兼事務所も総ケヤキ造りとなっており、2階はコンサートや展示スペースとして使われている=写真(4)。「酒蔵から美しい日本の文化を発信したいです」と藤居さん。

JR稲枝駅から車で5分、近江鉄道愛知川駅下車徒歩10分。酒蔵見学は要予約。 問い合わせは(0749・42・2080)へ。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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