日本六古窯の一つに名を連ねる、甲賀市信楽町。かつては、登り窯から煙が立ち上る風景が数多く見られたが、今では年間約5回火入れされている同町長野の「宗陶苑(そうとうえん)」のみとなっている。日本最大級と称される同苑の登り窯は、長さ30メートル、幅15メートル、高さ3.5メートル、全11室からなる巨大窯=写真1。その窯で作品を焼くことが出来ると聞き、足を向けた。
日に3回(午前10時20分、午後1時、2時半)開かれている陶芸教室は、社長である上田寿樹さん(58)の父宗寿さん(82)が約40年前に、焼きものを通して子供たち(後継者)を育てたいと、「工作室」の名で始めたもの。手回しロクロを使った「紐(ひも)作り」と呼ばれる手ひねりで、少し深めの皿作りに挑戦した。
粘土800グラムを手渡され、同苑の作家の指導の下で作業が始まった=写真2。焼き上がりは約2割ほど小さくなるため、やや大きめの仕上がりをイメージ。まず4分の1の粘土をロクロの中央に1〜1.5センチほどの厚さになるよう均等に広げて土台作り。残りを紐状にして土台に重ね、最初はコップの形を作る。そこから徐々に茶わんや皿などに形成させていく。長い間土に触れると水分が無くなりひび割れの原因となるが、水をつけすぎても形が保てなくなるため塩梅(あんばい)が難しい。約1時間半で完成した=写真3。
後日、同苑によって高台(こうだい)と作者名が彫られ、乾燥、窯づめの順を追い、7昼夜窯たきが行われる。次回の火入れは7月とのことで、手元には8月中旬ぐらいに届く。「火(焼き)は熟練したものでも意のままにはいかないため、結果は神のみぞ知るです。土の温かみ、まきの良さを感じてもらえると思います」と寿樹さん。
■登り窯焼成は2100円、灰被(かぶ)り焼成は5250円、電気・ガス窯焼成は1575円。要予約。問い合わせは(0748・82・0316)へ。