更新日:2007年3月28日
Vol.193:高島三十三観音巡り(高島市)
写真1 写真2 写真3 地図

優しさに心安らぐ観音の里

  西国三十三カ所にならった高島三十三観音巡りが高島市内にある。普段は閉まっている所が多く、地図に載っていないケースもあり、なかなかスムーズに巡ることは出来ないようだ。17日に観音講が開かれた同市安曇川町田中の玉泉寺を訪ねることが出来た。
 JR安曇川駅構内の観光案内所で尋ねると、同所の秋永豊子さんが「帰りがてらだから」と親切にも車で案内して下さった。普段は駅から歩いて20分ぐらいかかる。
 玉泉寺は第5番目の札所。西近江七福神布袋尊奉安所でもあり、境内には行基の作と言われる有名な五智如来の石仏の優しい顔が並ぶ=写真1、左は住職の木村哲基さん。お話を聞いた本堂では立派な涅槃(ねはん)図が掛けられていた=写真2。木村さんによると高島の観音巡りは約300年前に始まったという。「高島に住む人が心の安らぎを得られ、生きてて良かったなと思えるように作られた。命の大切さを観音の里に求めてきたのではないでしょうか」と話す。昔の人は冬の農閑期に、観音様を拝むため雪深い高島の地をかんじきで巡ったという。

 寺の観音堂では近くの檀家の方がお参りに集まっていた=写真3。よく見ると厨子(ずし)は閉まったまま。観音様のお顔を拝めないようだ。「17年、33年に一度の半(なか)開帳、本開帳にしか厨子は開かれないんです。月に一度の観音講は、人とのつながりの大切さを伝える場なんです」と木村さんが説明してくれた。次に開帳されるのは2009(平成21)年という。
 昔の巡礼を思い返し、また、ご開帳を思いやりながら帰りは歩いて駅へと向かった。湖西の春の強風と雪の中、案内所の方の親切や玉泉寺の住職さんの優しい話し方を思い出し、気持ちは穏やかだった。お顔は拝めなかったが、観音様の安らぎを享受できたようだ。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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