更新日:2007年3月8日
Vol.191:葛籠尾崎湖底遺跡(湖北町)
写真1 写真2 写真3 地図

湖底に縄文〜平安期の土器

今から約80年前、イサザ漁をしていた湖北町尾上の漁師が、網の中に数個の土器を発見した。その後も、尾上の対岸にある半島・葛籠尾崎=写真@、右手=の沖一帯で、縄文から平安まで幅広い時代の土器が次々と見つかった。これが、謎に満ちた葛籠尾崎湖底遺跡だ。
 これまで引き上げられた土器類約150点は、研究結果と共に尾上公民館の資料室に展示されている=写真1。縁の模様が美しい縄文式土器をはじめ、大小の鉢や皿が並ぶ。驚かされるのは、多くの土器が完全形で見つかっていることだ。地形的に土砂が積もりにくく、何千年にもわたり水にさらされたままだったことが、かえって保存状態を良くしたと考えられる。湖水の鉄分が付着して茶色く変色したものもあり、かりんとうの表面にも似た鈍い光沢に見とれた。
 水深70メートルに位置し、時間的幅が数千年もある湖底遺跡は世界でも類を見ないという。地殻変動説や船の沈没説など、さまざまな説が論じられてきた。「有力なところでは、湖の安全や豊漁を祈って土器を投げ入れたという祭祀(さいし)説があります」と湖北町教育委員会の山?清和さん(50)は言う。湖底には今もそのままの形で土器がいくつも沈んでいる=写真3(同町教委提供)。
 昼食に、道の駅湖北みずどりステーションで湖北名物・うなぎのじゅんじゅん定食(1450円)=写真4=を味わった。肉厚のうなぎは口の中でふわりと香りが広がり、かば焼きとはまた違うおいしさ。窓からは葛籠尾崎と竹生島が見渡せ、いつしか思いは湖底深くの遺跡へと飛んでいた。

JR河毛駅からバスで15分。駅にはレンタサイクルもある。資料室の見学は要予約。入館料300円。問い合わせは、湖北町教育委員会(0749・78・8309)へ。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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