
高島には謎の古代文字で書かれ、日本書紀や古事記の原本とも言われている古文書「秀真伝(ホツマツタエ)」が伝えられているという。高島市教育委員会の紹介を受けて「高島市ホツマ研究会」の野々村直大さん(65)を訪ね、古代文字に関連するところを案内してもらった。
まず、「神代文字」の石が残る、安曇川町の安閑(あんかん)神社へ。6世紀初めの継体天皇の第一皇子、安閑天皇をまつる。神代文字の彫りは浅いが、草のツルや川を表したような線がはっきりと見てとれた=写真1、指さすのは野々村さん。「我々が研究するホツマ文字とは全く違うので、まだ解読できません。でも、何かがあったからこの地にこの石が残っているんだと思います」と野々村さん。今のところ、石と安閑天皇には何の関連性も見つかっていないそうだ。
次に彦主人王(ひこうしおう)御陵に向かった。彦主人王は継体天皇の父で、御陵は宮内庁が管理している。古墳に続く参道=写真2=はヒノキ並木になっており、別世界に来たようだ。1匹の鹿が参道を横切るのが見え、ますます神聖な感じがした。御陵のある田中地区には奈良時代、片仮名を考案したとされる吉備真備(きびのまきび)が、ホツマ文字を調べに来たと言われている。
最後に、野々村さんが祖先から受け継いだ、ホツマ文書の写本=写真3=を見せてもらった。片仮名のルビがなければ、何が書いてあるのかさっぱりわからない。「あなたもぜひこのミステリーを解いてみてください」と言われ、しばし言語学者の気分にひたりながら古代の風景を思い描いた。
安閑神社は、JR安曇川駅から徒歩約5分。彦主人王御陵は、同社から車で約10分。問い合わせは、高島市教育委員会文化財課(0740・32・4467)へ。