更新日:2006年11月20日
Vol.183:興聖寺(高島市朽木岩瀬)
写真1 写真2 写真3 地図

戦国生き抜いた朽木氏の寺

 朽木の興聖寺を目指し大津から国道367号をドライブした。車の数が少なく、山あいののどかな風景が魅力だ。安曇川に沿って車を走らせていると、対岸で山肌が削られたところに差し掛かった。今年3月にあった土砂崩れの現場だ。う回路は完成しているが、元の道はまだ土に埋もれたまま。数回わき見をしてしまった。  さらに車を進め、到着。広い駐車場から少し高台に興聖寺=写真1=はある。年間約1万人が訪れるそうだが、半数以上が11月の紅葉の時期=写真2=に集中するという。興聖寺は、領主朽木氏の菩提(ぼだい)寺である。副住職の森泰孝さんに話を伺った。「中山道や東海道のある東側に比べると、こちらは裏街道です。細々ながら、朽木家は信長、秀吉、家康の時代を生き抜いて、廃藩まで領主として続いてきた。逆に、あまり大きくなりすぎなかったから、良かったのかもしれませんね」

 寺はかつて川向こうにあったが、約200年前に、現在の場所に移ってきた。それ以前は秀隣院という寺があったところで、その庭園を受け継いでいる。室町時代に慈照寺銀閣をモデルにつくられた庭で、千利休や小堀遠州も見物したという。鶴池に亀島、亀池に鶴島と、長寿延年がテーマとなっている=写真3。橋のたもとにある「将軍石」に腰掛けると、谷あいに出る中秋の名月が楽しめるそうだ。

 「関西花の寺」の第14番札所でもあり、大型の観光バスがやってくることもある。庭にある8本のヤブツバキは樹齢約480年という。4月から5月にかけて鮮やかな紅色の花が咲く。年によって、花の数にバラつきはあるそうだが、池一面にツバキが浮かぶ写真を見せてもらって、今度は花を目当てに訪れたいと思った。

  興聖寺(0740・38・2103)。 拝観は午前9時〜午後5時。拝観料300円。 http://www.koushoji.jp/

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(滋賀)に掲載されたものの転載です。

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