今もなお、田舟でしか足を踏み入れられない田がある――。西の湖に浮かぶ島状の飛び地「権座」で今月3日午前11時〜午後4時、「『座と市』づくりプロジェクト06 権座水郷コンサート」が開かれる。情報源のチラシを手に、会場に足を向けた。
「権座は、ヨシ地を開墾して造られた田なんですよ」。事務局の根木恒平さん(29)の案内でコンサートのために設置された船橋=写真1=を渡ると、実行委員会メンバーと地元ボランティアが舞台セッティングの真っ最中だった=写真3。ヨシ地を石で囲み、藻を入れて土を重ねるという方法で作られた土地には石ころがほとんどなく、肥えた田が広がっていた=写真2。
この周辺の島学区は、古く「奥島荘」と呼ばれていたという。琵琶湖、津田内湖、大中之湖、西の湖に囲まれ、ヨシ地を開拓した島状の水田が点在していたが、津田内湖と大中之湖の干拓により、田舟で水郷を行き交う姿も今はこの「権座」のみとなった。実行委員長の中川豊一さん(52)は「島学区の住民でも『権座』を知る人は20%ぐらいでしょうか。先人が培ったこの地の文化や風景を残すためにも、何か発信しようと思いついたんです」と経緯を話す。
コンサートは、作家の中野順哉さんの総合演出で、講談師の旭堂南左衛門さんと木管五重奏団「ターフェルクインテット」のコラボレーション「音楽絵巻」。地元の小学生や幼稚園児らの共演もある。また、物産バザール、体感ワークショップなども開催。同地で農業を続ける大西實さん(51)は「昔も今もこの地の風景は変わらないままです。この機会に権座を知って欲しい」と話していた。
メモ:JR近江八幡駅からバスで、円山または白王口バス停下車。会場まで徒歩約15分。入場無料(ただし、中学生以上は開催協力金500円(一口)が必要。要申し込み。
申し込み、問い合わせは、同実行委員会(090・5061・4452)へ。