UPDATE 2006年9月11日

Vol.177:里山水辺ツアー・針江地区の川端(高島市新旭町)

家の中にも取り込む湧き水

 比良山系の伏流水に恵まれる針江地区。湧(わ)き水を家の中に取り込んだ「川端(かばた)」が、現在も100戸で残っている。昔から暮らしに必要な水を賄ってきた川端。川端のある暮らしに触れる「里山水辺ツアー」に参加した。
 「針江生水(しょうず)の郷委員会」主催。同会は04年5月に発足、メンバーである地域住民約50人が交代でガイドや世話役などを務めている。同会副会長の前田啓子さん(60)の案内で針江地区一帯を巡った。「川端は、飲料水をくむ元池、野菜や鍋、顔などを洗う壷(つぼ)池、道路沿いの水路と合流する端池の3段式になっています=写真1」。「家の外にあるのが外川端、中にあるのが内川端です」と前田さん。参加者らは、手を水に浸したり鍋の残飯を食べるコイの姿を観察したりしていた。
 
 針江のヨシ原で、モンドリ漁という伝統漁法を60年間続けている田中三五郎さん(85)宅の内川端も見学した=写真2。毎日、川端で顔を洗う三五郎さんの顔はツルツル。「きれいな水で洗ってるからですよ」と、実際に顔を洗う姿を披露。参加者は「すごいね!」と感嘆していた。
 針江公民館で、地元食材を100%使った手づくりの郷土料理を味わう。全国各地から訪れた参加者にとって、ゴリの煮付けやアユの天ぷらは格別のようだった。
 
 三五郎さんが木舟に乗って漁をしている針江大川にも足を運んだ=写真3。水面からのぞくバイカモ、カイツブリやヨシ原の光景を前に、前田さんの言葉が思い出された。「上流の人は下流を、下流の人は上流を。互いを思いやる心が、命を巡る水辺には大切なんです」

里山水辺ツアーは、毎月第2、4土曜日に実施。2000円(食事代込み)。ガイドのみは1000円。要申し込み。窓口は、新旭町観光協会(0740・25・6464)へ。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている
「あいあいAI 滋賀」に掲載されたものの転載です。


ぶらりひとある記[バックナンバー]はこちら

[Home]


Portions Copyright (C) 2006 The Asahi Family News.