UPDATE 2006年6月26日

Vol.172:鹿跳峡の甌穴(大津市石山南郷)


瀬田川の流れがうがった穴

 「米かし岩」の名に興味をそそられ、JR石山駅からバスで南郷・大石方面に向かう。洗堰(あらいぜき)を越えてしばらくすると、穏やかな瀬田川の風景が一転、川幅は狭くなり、流れも速くなる。「次は蛙(かえる)岩」の案内に、ブザーに手を伸ばした。
 バス停前の駐車場に降り立ち「ここに蛙岩?」と、川岸を探す。通りがかりの人に「対岸にあるよ」と教えられ、目を凝らしてみると、こっちを向いて座る蛙の姿があった=写真1。
 車の往来の激しい道を進むと、立木観音の石段下から100メートルほど手前に、県指定天然記念物「鹿跳峡の甌穴」と記された看板がある。甌穴とは、川が渦を巻いて流れることにより石や砂が同じ所で回り続け、川底の岩盤を削って出来た大小の穴のこと。かめ穴やポットホールの名を持つが、地元の人には「飯びつ」に似ていることから「米かし岩」として親しまれているという。あいにく、雨で水位が増し、一部しか「米かし岩」を見ることができなかったが=写真2=、豊かな自然を堪能した。
 
 「鹿跳橋」を渡り、川端にある「佐久奈度神社」まで足を延ばす。669年、中臣朝臣金連(なかとみあそんかねのむらじ)が社殿を造り「祓戸(はらえど)の大神三神」を祭ったのが始まり。宮司の坂田守さん(50)が「都から伊勢神宮に参拝の際に、当社で禊(みそ)ぎをするのが習わしだったようです。『忌伊勢(おいせ)』がなまり、この地が『大石(おおいし)』になったと伝えられています」と教えてくれた。昔は、川辺に境内があったという。社殿は下流の「天ケ瀬ダム」建設で水没予定地の指定を受け、現在の高台に移された。境内には川を望む場所が設けられている=写真3。昔から景勝地として名高い瀬田川の姿があった。

JR石山駅発「大石小学校」行きの京阪バスで蛙岩下車。「米かし岩」へは徒歩約10分。「佐久奈度神社」まではさらに約15分。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている
「あいあいAI 滋賀」に掲載されたものの転載です。


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