UPDATE 2006年5月9日

Vol.164:猪子山(東近江市猪子町)


巨石、古墳、岩の間に観音像

(1)

 

 春の長雨「なたね梅雨」の合間をぬって猪子山へ出掛けた。猪子山は能登川、安土、五個荘地区の接点となる繖山(きぬがさやま)の北端部分に当たる。登山道はいくつかあるが、今回はふもとの猪子山公園から北向岩屋十一面観音への道を歩いた。

 坂道を登ってほどなく、岩船社がある。社の後ろに大きな岩があって、この船形の岩に上って比良大神(白髭明神)が湖上を渡ってやってきたと伝わっている。「岩船」のような巨石は他にもあり、風格ある立派な姿から昔の人が石を信仰の対象にしていたというのもうなずける。さらに上に進んでいくと、古墳があった=写真1。案内板によれば、猪子山には古墳が8基散在し、5〜6世紀にかけて造られたという。古代からこの地に人々が息づいていたのを実感した。


(2)
(3)

 古墳を過ぎてしばらく歩くと階段が現れる。見上げてもゴールは見えない。400以上の石段を上りきると少し息が上がったが、強い風があり気持ち良かった。「ありがたや観音さまに導かれきょうも登りて心澄むなり」の句碑を右手に進み、ようやく北向観音にたどり着いた=写真2。

 毎年7月17日の千日会では多くの参拝者でにぎわう。お堂の中に入り、岩の間にまつられている観音さま=写真3=を拝んだ。合掌した手に数珠をかけている石仏は珍しい。外は激しい風が吹きすさんでいたが、ここにいればどんな災害からも守られる気がして、しばらく1人で眺めていた。

 5月4日の「伊庭の坂下し祭」(8面参照)に合わせて、猪子山公園では水車太鼓の演奏、ぜんざいサービス、地元特産品販売の「ぶらり能登川楽市」(能登川町商工会主催)がある。能登川地区の観光については、東近江市観光協会能登川支部 TEL:0748・42・9915

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている
「あいあいAI 滋賀」に掲載されたものの転載です。


ぶらりひとある記[バックナンバー]はこちら


Portions Copyright (C) 2006 The Asahi Family News.