UPDATE 2006年4月14日

Vol.164:竹ものさしを作る 岡根製作所(甲賀市甲南町)


手作業で目盛りを刻む鯨尺

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 小学校2年生の時に買ってもらった竹の30?ものさしを、20年以上たつ今も愛用している。甲賀市甲南町の特産品のひとつに、竹ものさしがあると聞いた。

 忍術屋敷で知られる甲南町竜法師(りゅうぼうし)。ここに、約60年前からものさしや計量器を製造、販売する岡根製作所があった。事務所の壁には長さや目盛りの異なる竹ものさしがずらり。「これは鯨尺(くじらじゃく)といって呉服屋さんが仕立てに使うさし。鋳型作り用や文化財の修復用などもあります」と、二代目所長の岡根勝さん(62)(写真1)が説明してくれる。工場内では市販向けの1メートルさしの製造が行われていた。竹の裁断や目盛り入れなど機械化された工程がある一方で、竹ものさしに欠かせない「星」と呼ばれる目印の色付けなど、手作業も多い(写真2)。

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 鯨尺をはじめ特殊なものさしは、目盛りを入れるのも手作業だ。くし歯状の鉄型をあてがい、細い刃物で1本1本刻んでいく。この製法が今も残るのは全国でここだけという。「細かい作業で目は疲れるし肩も凝る。でも、うちが作らなくなったら終わってしまうからね」と岡根さん。「使うほどにつやが出て手になじむのは竹ならでは。100年は持ちますよ」

 製作所を後にし、地区内にある奉公山へと足を向けた。中部小学校の校歌にも登場するこの山は、桜の名所でもある。まだ開花には少し早かったが、濃い桃色のつぼみが「さあ咲くぞ」とばかりに木々を染めている。忍者の里を見渡しながら、しばし満開の光景を想像した。

地元の小学生が社会見学で訪れることはあるが、工場見学は実施していない。岡根製作所製の15cmさしを和紙のケースに入れた「しのびざし」(300円)(写真3)を甲南町商工会(0748・86・2016)が販売している。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている
「あいあいAI 滋賀」に掲載されたものの転載です。


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