更新日:2008年11月19日
Vol.272:湊川神社と新開地(神戸市)
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受け継がれる娯楽の心

 神戸市兵庫区の新開地は大正から昭和の初め、関西でも有数の歓楽街として栄えた。年月を経て昔のにぎわいは見られないが、三宮や元町とはひと味違う雰囲気が残っている。「楠公(なんこう)さん」の湊川神社に参拝したあと、昭和のにおいを探して新開地を歩いた。
 JR神戸駅の前が湊川神社。南北朝時代の武将、楠木正成をまつっている。約2.5ヘクタールの境内は都会の真ん中にありながら、閑静なたたずまい。訪ねた11月上旬は七五三参りの親子連れが目立った(写真1)。境内には、正成が足利尊氏との戦に敗れ自害した殉節地、徳川光圀(みつくに)が建立した正成の墓所がある。墓碑の「嗚呼忠臣楠子之墓」は光圀の筆。宝物殿にはゆかりの品が展示されている。
 神社を出て、多聞通を西へ歩くと新開地商店街。1900年代の初め、旧湊川を埋め立てて生まれた。往時は20館以上の劇場や映画館が並んでいたという。華やかさこそ失ったが、今も映画館や大衆演劇場が残る「娯楽のまち」だ。
 商店街の東の入り口に、高さ約10メートルのシンボルゲート「BIG MAN」(写真2)。そのそばには新開地で最も古い1937(昭和12)年築の洋風建築・新開地ガスビル(写真3)がある。外から大理石を敷いたエントランスが見えた。また商店街から1本路地を入ると、レトロな雰囲気のれんが通りや天井川だった旧湊川を埋めた際の石段や坂道が残っている。
 商店街の新たな娯楽スポットになっているのは、神戸アートビレッジセンター。若手芸術家の育成や新開地の活性化のために96年に開館した市の芸術文化施設。地下1階、地上4階。展覧会や映画上映、演劇公演の会場になっている。
地図 10分ほど歩いて商店街のアーケードを抜けると湊川公園。まず目に入るのは高さ8メートルのカリヨン時計塔(写真4)。かつて神戸の町並みを一望できたという高さ90メートルの神戸タワーを模して造られた。その先で、楠木正成の銅像が町を見守っていた。
 湊川神社(078・371・0001)。宝物殿は、小中学生100円、高校・大学生200円、大人300円。木曜休み。
 神戸アートビレッジセンター(078・512・5500)。入館無料。火曜休み。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に
掲載されたものの転載です。

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