更新日:2008年11月12日
Vol.271:足守の町並み(岡山市)
写真 写真 写真

江戸時代の姿とどめる

 岡山市中心部から北西へ約18キロ。足守(あしもり)は、豊臣秀吉の正室、北政所の兄の木下家定を初代とする足守藩の陣屋町として栄えた。今も武家屋敷や土蔵などが残る歴史の町として知られ、岡山県の「町並み保存地区」に指定されている。
 岡山自動車道の岡山総社インターを降り、国道429号を北へ車で20分。最初に訪ねたのは、岡山県指定名勝の近水園(写真1)。6代藩主の木下公定(きんさだ)が18世紀初めに築いたとされる庭園。5500平方メートルの敷地に建てられた数寄屋造りの「吟風閣」から、足守川の水を取り入れた池が眺められる。池に浮かぶ鶴島には14代当主で白樺派の歌人・木下利玄の歌碑が立つ。園内ではカエデが色づき始めていた。
 近水園の管理事務所に頼むと、園の南にある岡山市立歴史資料館足守文庫を見学できる。木下家の美術品や文書類を中心に、北政所が使ったとされる道中風呂、足守生まれの蘭学者、緒方洪庵の墨跡などを展示している。
 近水園から歩いて5分で県指定重要文化財の旧足守藩侍屋敷遺構(写真2)。侍屋敷は藩の家老を務めた杉原家の居宅。茅葺(かやぶ)き屋根の母屋は横幅24.5メートル、奥行き約9メートル。玄関を上がってすぐの式台の間と右手に広がる一の間、二の間は公用の部屋。一の間には11代藩主木下利徳が「豊臣利徳」として書いた「鶴雲」の書が飾られている。左手の土間や裏側の居間は家族用。天井が低い。

地図 侍屋敷を出て、古い町家が多く残る街道沿いを歩いた。「町並み保存地区」だけあって現在も約100戸が江戸時代の姿をとどめている(写真3)。西へ進むと、旧足守商家藤田千年治邸。江戸末期に建てられ、明治以降に大規模な造りになったという。明治時代は醤油(しょうゆ)屋を営んでおり、内部に当時の工場が再現されている(写真4)。

 

 

 近水園・岡山市立歴史資料館足守文庫(086・295・0981) 無料。月曜休み。
 旧足守藩侍屋敷遺構(086・295・0983) 無料。月曜休み。
 旧足守商家藤田千年治邸(086・295・0005) 無料。月曜休み。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に
掲載されたものの転載です。

バックナンバーはこちら