更新日:2008年7月23日
Vol.257:水道記念館(大阪市東淀川区柴島)
写真2 写真3写真4地図

歴史と水源の自然学ぶ

 大阪市の「水道記念館」を訪ねた。展示を見て、水道の歴史や、琵琶湖、淀川水系の自然や魚を知ることはもちろんだが、1914(大正3)年に完成した建物(写真1)も一見の価値がある。赤レンガと御影石の調和が美しいネオ・ルネサンス様式と呼ばれるもので、国の登録有形文化財に指定されている。
 JR大阪駅で地下鉄に乗り換えて2駅。西中島南方駅から歩いて約15分の淀川べりにある。
 館内の展示スペースは約980平方メートル。47のコーナーに分かれており、ほぼ半分が琵琶湖・淀川の自然や、そこに生息する105種、約3500の魚の展示(生きた魚を水槽で)。残りが水道の歴史や仕組みに関するもの。
 水道に関する展示は、入り口から見ると、奥の方にまとめられている。大阪市の水道の通水は日本で4番目の1895(明治28)年。コレラの流行や大火をきっかけに、水道を造って欲しいという住民の声が高まった。スタート時の給水能力は1日5万トン。現在は3つの浄水場合わせて243万トン(最大)。オゾンと粒状活性炭で処理した高度浄水処理水を配水している。カビ臭やカルキ臭をのぞくことが目的だそうだ。その処理過程の展示や、オゾンと活性炭の働きを遊びながら学ぶコーナーもある(写真2)。
 記念館に入ってすぐのところに、国の天然記念物でコイ科のイタセンパラがいた。臆病な魚で、のぞくと陰に隠れてしまう。同じ天然記念物のドジョウの仲間、アユモドキも見ることができる。
 約3メートルのトンネル状の水槽「ワンドウォッチング」(写真3)は見どころのひとつ。淀川独特の「ワンド」にすむ魚が泳ぐ。明治時代、淀川の幅を狭めるために作られた「水制」という石の堰(せき)に、土砂がたまって池のような環境の「ワンド」ができた。ワンドは流れが緩やかで、本流とは違った魚や水草が見られる。
 記念館の外に淡水魚飼育研究棟がある。館内で展示しきれなかった魚や水草など188種を見ることができる(写真4)。
 記念館は1986年まで大阪市水道局の主力ポンプ場として使われていた。1995年に大阪市の水道通水100周年事業の一環として保存活用することになり、記念館に生まれかわった。優美な姿を見てもらうため、日没から午後10時までは建物をライトアップしている。

■水道記念館(06・6324・3191)。無料。月曜は休み(祝日の場合はその翌日)。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に
掲載されたものの転載です。

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