更新日:2008年6月11日
Vol.251:塩屋出店と西河克己映画記念館(鳥取県智頭町)
写真2 写真3 写真4

「智頭往来」の面影残す

 江戸時代、姫路市と鳥取市をつなぐ因幡街道の宿場町として栄えた鳥取県智頭町。智頭宿ボランティアガイド福本昭夫さん(63)の案内で、明治時代の町屋「塩屋出店(しおやでみせ)」(写真1)と、同じ敷地内にある「西河克己映画記念館」を訪れた。
 姫路から、中国自動車道と国道373号を走って約2時間。鉄道だと智頭急行の上郡駅から約1時間半で智頭駅に着く。駅から東へ1キロほど離れた駐車場に車を止め、福本さんの解説を聞きながら歩いた。参勤交代の武士も通った街道は智頭往来と呼ばれ、明治から昭和初期の町並みが残っている。
 駐車場から北へ300メートルほど歩くと塩屋出店。木造2階建て、約160平方メートル。国登録有形文化財で、智頭宿まちづくり協議会の事務所として使われている。内部は無料で見学でき、1階の座敷では和風庭園を見ながら食事も可能(写真2)。急な階段を上り2階へ行くと、天井は弧を描き、端へ行けば行くほど低くなっている。舟底天井とよばれる造り。部屋をよく見ると一部の材木は黒く、欠けた部分を付け足した所があった。明治時代の1889年、町内で大火事があり、この建物も全焼。1897年ごろ再建されたが、木材が不足し、焼け残った柱などを利用して建て直しされたあとだという。
 塩屋出店は19世紀半ば以前の建築物。再建されたあと、10年ほど前取り壊される計画が持ち上がったが、住民と行政が協力して保存に成功。和風、洋風建築と和風庭園の組み合わせが特徴で、01年に公開が始まった。現在まちづくり協議会のボランティアによって管理運営されている。
地図 西河克己映画記念館は、塩屋出店の庭にある洋館(写真3)を利用している。1916年ごろに建てられ、一時は教会として使われていた。広さ25平方メートルの木造2階建て。西河監督は1918年、智頭町生まれ。「青い山脈」や「伊豆の踊り子」など66本の映画を手がけた。00年に資料や写真が町へ寄贈されたのをきっかけに01年、記念館が開館した。見学は無料。1階に約450点の資料を展示(写真4)、2階で作品を上映している。指示やメモが余白に書き込まれた台本や、監督が戦地から家族へ送った絵手紙など、貴重なものも並んでいる。

■智頭宿まちづくり協議会(0858・76・1200)。ガイドは前日までに予約が必要。無料。塩屋出店と西河克己映画記念館は水曜定休。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に
掲載されたものの転載です。

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