更新日:2008年5月21日
Vol.248:奥山寺と八王子神社(加西市)
写真2 写真3 写真4 地図

「千体地蔵」と「神婚式」

 加西市の歴史街道ボランティアガイド森昭代さんと山本宗子さんに案内してもらい、同市国正町の奥山寺(おくさんじ)と近くの八王子神社を訪ねた。奥山寺は秋の紅葉で知られる。紅葉の名所なら、新緑も美しいはず。あいにくの雨だったが、期待を裏切らない風景に見とれた。
 同寺は、北条鉄道北条町駅から北東へ車で約20分。山すその赤い仁王門が目をひく。加西市指定文化財で、江戸時代中期の建築。門をくぐり奥へ進むと、本堂に続く階段がある。145段ある階段の両脇や本堂周辺には多くのカエデがあり(写真1)、秋の紅葉シーズンには赤く染まる。その風景は、市内で最も美しいと言われている。
 階段を半分ほど上ったところの右手には、千体地蔵と呼ばれるお堂(写真2)がある。戸の隙(すき)間から中をのぞくと、木で作られた10センチほどのお地蔵さんがびっしりと並んでいた。昔、子どもを望む女性が中のお地蔵さんを1体持ち帰り、子どもが生まれたら新しいお地蔵さんを作って返す、という習慣があったという。
 階段を上りきったところに本堂があり、その天井には絵が描かれている。家紋のような花の模様が多いが、中にはお釈迦様のような絵も。奥山寺は650年法道仙人が開いたといわれ、現在の本堂は1687年に再建された。天井の絵はその頃に描かれた。
 本堂の裏手には、本尊が安置された多宝塔(写真3)。1709年に建築された県指定文化財。1999年に解体修復された。
 八王子神社は、奥山寺から南へ車で5分ほど離れた鏡山にある。同神社の創建は1037年。現在の社殿(写真4)は1693年、赤穂義士の吉田忠左衛門によって建てられた。
 1998年、40年近く途絶えていた秋祭りが復活。今は隔年に行われている。秋祭りの始めには「神婚式」という神事がある。奥山寺の境内にあった妙見神社は明治の神仏分離令により、八王子神社に合祀(ごうし)されており、宮司が仲人となって妙見神社に祭られていた神様と、八王子神社に祭られている神様の結婚式をする。妙見神社が奥山寺にあった江戸時代中期から続く神事という。

■加西市歴史街道ボランティア(0790・42・8823)。3日前までに予約をすれば、市内を案内してくれる。無料だが拝観料などは必要。

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に
掲載されたものの転載です。

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