更新日:2008年3月5日
Vol.238:大阪・中之島周辺を歩く(大阪市)
写真2 写真3 写真4

心ひくレトロな建築物

 オフィスビルが集まる大阪の中心地、中之島。レトロな建築物が数多く残るその周辺で幕末から昭和初期の大阪に触れる散策コースを、大阪観光コンベンション協会が設定した。地図に加え、浜村淳の音声ガイドつきという至れり尽くせりの内容。そのガイドをダウンロードし、デジタルオーディオプレーヤーで聞きながら歩く趣向で、名づけて「レトロ浪漫 中之島タイムトラベル」。早速体験してみた。
 出発は、地下鉄御堂筋線淀屋橋駅そばの大阪市役所。地下4階地上8階建て。現在の庁舎は1985年に建て替えられたものだが、1階のロビーには、旧庁舎(1921年建設)で使われていたステンドグラス(写真1)などが展示されている。そこからガイドに従い、土佐堀川を渡った。大阪倶楽部(1924年建設。国登録有形文化財)、大阪ガスビル(1933年建設。国登録有形文化財)、綿業会館(1931年建設。国指定重要文化財)、生駒ビルヂング(写真2/1930年建設。国登録有形文化財)など有名なビルが次々に現れる。
 ガイドによると、北浜にかけて大正や昭和初期に建てられたビルが多く残るのは、「軒切り」と呼ばれる道路拡張工事が行われたため。道路に面した商家の軒先を強制的に削るという工事だ。建て替えを余儀なくされて、商家がビルを建てた。1925年に大阪は人口200万人を超え、日本一、世界6位の都市になった。近代化が進み、商業の中心地になる。路面電車などが登場し、道路を広くする必要があった。御堂筋や堺筋が整備されたのも、そのころだ。
 中之島に戻り、大阪市中央公会堂(写真3/1918年建設、2002年修復。国重要文化財)に立ち寄ったあと、緒方洪庵(こうあん)が1838年に開いた適塾(写真4)へ向かった。福沢諭吉ら幕末から明治にかけて活躍した人物を多く出した蘭学(らんがく)塾。現在は大阪大学が管理し、一般公開されている。464平方メートルの木造2階建て。1階は教室のほかに、応接間や台所といった居住区、2階は塾生が生活をした大部屋や、塾に一揃(ひとそろ)えしかなかったヅーフ辞書(蘭和辞書)が置かれたヅーフ部屋がある。解体新書、整体新書など当時の蘭学や医学の書物の展示もあり、約150年前にタイムスリップした気分になった。


地図 出発してから、2時間半ほど。淀屋橋駅まで戻り、コースは終了。「レトロ浪漫」という名前の通り、大阪の近代化の歴史に思いをはせるコースだった。
 大阪観光コンベンション協会では、5月18日まで音声ガイドの入ったiPodのレンタルをしている。身分証明書が必要。200円。問い合わせは、同協会(06・6282・5910)。

■適塾(06・6231・1970)。一般250円、大・高生130円、中学生以下無料。月曜休館。

 

   

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に
掲載されたものの転載です。

バックナンバーはこちら