更新日:2008年2月20日
Vol.236:タマの神社と地蔵さん(加古川市加古川町)
写真2 写真3 写真4

今も残る不思議な伝説

 賭場で主人にサイコロの目が丁か半かを教えたネコ「タマ」をまつる神社、刀で切られた人の身代わりになったお地蔵さん。加古川市の中心地に不思議な伝説の残る場所があると聞いて、探索に出かけた。
 JR加古川駅から寺家町商店街を抜け、西国街道を西へ歩いて約20分。交差する国道2号を横断すると春日神社。タマはこの境内にある丸亀神社(写真1)、通称「赤壁さん」にまつられている。
 言い伝えられているタマの話とは──タマを飼っていたのは、賭け事の大好きな男。男が賭けをしていると、タマはサイコロの目が丁か半かを教えたという。男は大金を手にするが、その帰り道、殺されて金を奪われてしまう。タマは首尾よく主人の敵をとるが、化け猫として退治される。この時タマの血が、神社の壁を赤く染めた。その後、事件の真相が分かり、地元の人々は主人思いの猫としてタマをその神社にまつった──
 この話は1919年に講談「怪猫奇談赤壁明神」として発表され、1938年には森光子らが出演して映画にもなっている。
 春日神社の境内地は約990平方メートル。中に「代表」の春日神社を含め6つの神社があり、その1つが丸亀神社。丸亀神社の敷地は約23平方メートル。黒い瓦屋根に赤い壁の「本殿」と鳥居などがある。
 かつて春日神社の総代を務めた岡田義治さん(89)によると、どこで聞いてか、賭け事の好きな人がよく丸亀神社にお参りに来る。境内には「招福 撫猫(なでねこ)」と書かれた香炉(写真2)があり、石に彫られたタマをなでると、ギャンブル運が上がるという。宝くじファンにも人気がある。
 6つの神社は、別々の場所にあったが、日本毛織の工場や、加古川の堤防の建設により移動。1933年、今の姿になった。

地図 香炉を何度もなでて、神社を出た。来た道を戻って東へ。「胴切れの地蔵」を目指す。30分ほど歩いたところで、赤い前掛けをつけたお地蔵さん(写真3)を見つけた。どこが胴切れなのか、一目みただけでは分からない。後ろに回ってみると、ちょうど体の真ん中あたりに「切れ目」を発見(写真4)。昔、大名行列の前を横切り、無礼だと手討ちにされた人の身代わりになった跡といわれる。どこにでもある地蔵さんだが、お供えの花が絶えず、地元の人からどれだけ大切にされているかが分かった。
 帰り道、ふとタマの香炉を思い出し、スクラッチくじを1000円分買った。削ってみたら200円当たっていた。

   

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に掲載されたものの転載です。

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