
三木市には「縮見(しじみ)のいやちこめぐり」という言葉がある。「縮見は志染の古名」「『いやちこ』とは、神仏のご利益いちじるしいこと」と「三木のてくてくマップ」(三木市観光協会発行)はいう。つまり、三木市志染町にある神様や仏様を参拝して回り、ご利益をいただくこと。地元の人だけでなく、遠くから訪れる人が今も絶えないという。
まずは「志染の石室」(同町窟屋)。小道を下りていくと、高さ2.7メートル、幅14.5メートル、奥行き7.2メートルの石室が現れた。飛鳥時代、政変を逃れ2人の皇子が隠れ住んだといわれる。ガイドボランティアみきの杉本八重子さん(70=写真1)と中をのぞくと、水面が黄金色に光っていた(写真2)。ヒカリモの作用といわれ「5月が一番きれい」と杉本さん。周囲の木を伐採し光が入ったためか、02年の春、約40年ぶりに復活が確認された。
石室から約2キロ離れて「千体地蔵」(同町井上、写真3)がある。行基菩薩(ぼさつ)が疫病よけに山肌の砂岩に彫ったという地蔵菩薩を中心に、風雨にさらされたものから真新しいものまで、多くの地蔵が並んでいる。いつのころからか、子宝に恵まれない人が持ち帰り、子が授かると新しい地蔵とともに返すようになったという。
ここから約1.7キロの「伽耶(がや)院」(同町大谷)は645年、法道仙人の開基と伝えられるが、秀吉の三木城攻めの兵火などによって全山消失。その後建立された本堂、多宝塔、三坂社は国の重要文化財に指定されている。境内の奥に「臼稲荷」がある。水不足のとき、村人が石臼でせき止めし水争いをした。見かねた白狐が和尚に化け、すべて取り除いたと伝えられる。石臼が積まれた社の前には、石臼を根元に抱えたまま成長した不思議なカエデの姿も見られた(写真4)。
同マップは他に、「乳もらいの薬師さん」の薬師寺(同町志染中)、学問の神様の天満神社(同町井上)、「一願成就の観音さん」の林鐘寺(同)、境内のめおと石が「夫婦和合の神」とあがめられている御坂神社(同町御坂)、淡河川、山田川の合流点で、住民の「無事安全」を見守る落合地蔵(同)を紹介。
「信じる、信じないはあなた次第。里吹く風に誘われて、まずはレッツゴー」と結んでいる。
同マップは三木市観光協会(0794・83・8400)で手に入る。火曜休み。