隣りあうJRと阪急の宝塚駅から「花のみち」を歩いて10分ほど。宝塚市立手塚治虫記念館を訪ねた。日本を代表する漫画家の作品と生涯を知ることができる。
入口で同市の平和モニュメントにもなっている高さ約3メートルの「火の鳥」(写真1)が迎えてくれた。青いガラスのドームの下をくぐって建物(地上2階、地下2階)に入ると、人の背丈ほどのカプセル40本がずらり(写真2)。「『火の鳥』の生命維持装置をデザインしたものです」と同館の松本由美子係長。カプセルは展示ケースで、ここが常設展示室。子どものころの手塚の写真、肉筆の漫画、昆虫標本の模写、トレードマークだったベレー帽など336点が時代順に並べられ、宝塚と手塚のつながりが分かる。
手塚は1928年、豊中市で生まれ、5歳から24歳まで宝塚で過ごした。雑木林で昆虫採集をしたり、家族と宝塚歌劇や映画を見たりして育ち、この体験が作品創作に大きな影響を与えた。ペンネームの「治虫」も、甲虫のオサムシからとったという。「手塚の故郷が宝塚だと知っている来館者は半分ですね」と松本さん。
地下1階にはロボット工場をイメージしたアニメ工房がある。取材した日は地元の小学生が社会科の学習で来ており、パソコンに向かって塗り絵に夢中になっていた(写真3)。オリジナルのアニメを作ることもできる。
2階の企画展示室では「横山隆一・手塚治虫おかしな二人展」が開かれていた(来年2月19日まで)。横山は「フクちゃん」の作者。手塚は子どものころ何度も模写し、自分の漫画にも登場させたという。手塚のベレー帽も、横山から影響を受けたといわれている。漫画家でありながらアニメ制作にも携わった2人の共通点を中心に、多彩な趣味と作品を紹介している。
情報・アニメ検索機(写真4)では、手塚のデータやアニメを探すことができる。ライブラリーで筆者も無免許の天才外科医を描いた「ブラック・ジャック」を手にとった。あっという間に物語に引き込まれた。ここには、中国やスペインなど手塚作品の海外版もある。
■手塚治虫記念館(0797・81・2970)。
大人500円、中高生300円、小学生100円。29−31日、2月21日−2月末日、水曜休館。