古代の県庁にあたる国府、国家の平安を祈るため建立された国分寺。古代、但馬の中心だった豊岡市日高町祢布(にょふ)に2年前、但馬国府・国分寺館(写真1)が造られた。同館に近い但馬国府跡、但馬国分寺跡の調査を30年以上続けている同市が、出土品などを中心に約6000点を常設展示している。姫路から車を飛ばして見に行ってきた。
約9000平方メートルの敷地に真っ黒な箱状の平屋が4棟。各棟はつながっており、東端から総合学習室、2つの常設展示室、と企画展示室。西端は収蔵庫。
2棟目と3棟目をつなぐホールで100分の1の但馬国分寺跡復元模型(写真2)をみつけた。塔は7層。高さは推定で約60メートル。同館の4棟の大きさは、いずれも15.8メートル四方で、塔の基壇と同じ寸法。塔の大きさを実感できる工夫をしている。国分寺は同館から北東へ歩いて15分ほどの所にあったといわれ、今も塔の礎石などが残っている。
常設展示室Uは「但馬国分寺を掘る」。765年ごろに完成した国分寺の遺物などが展示されている。目を引くのは1.7メートル四方、深さ約2.7メートルの大きな井戸(写真3)。出土した763年伐採のヒノキで組み立て、当時の井戸を復元している。先人の材木加工技術に目を見張る。
常設展示室Tの「とよおか歴史物語」のコーナーには、市内で発掘された旧石器−江戸時代の遺物を展示。特に、1830年に生産を始めたが十数年で廃止された高屋古窯の磁器(豊岡市高屋発掘)や、中郷深谷遺跡の石棺内で埋葬者に当てられていたという「死者の枕」に注目。
隣のコーナーは「但馬国府はどこに」。同館から東へ歩いて5分ほどの祢布ヶ森遺跡にあったという但馬国府(804年造営)の存在を示す木簡や直径約40センチの大型建物の柱根(写真4)を見ることができる。
最西端のホールではビデオ(約15分)を上映。CGで立体復元された但馬国府と国分寺、周辺の様子を紹介している。
最後は、東端の総合学習室へ。12種の体験メニュー(一部要予約)が楽しめる。筆者は勾玉(まがたま)作り(200円)に挑戦してみた。職員の説明を受け、古人の使ったメノウなどではなく、軟らかい滑石をヤスリで黙々と削る。90分かかってやっと完成した。
■但馬国府・国分寺館(0796・42・6111)。
入館料大人500円、高校生200円、小中学生150円。水曜休館。