JR播州赤穂駅の北東にある雄鷹台山(おたかだいやま/253メートル)は、市民から「お大師山」と呼ばれ親しまれている。
市街地に近いため散歩や遠足のコースに
なっていて訪れる人が絶えない。厳しい残暑の日に歩いてみた。
駅北側のロータリーから線路沿いに東へ5分歩くと、右手に踏切、左手に交差点がある場所へ出る。この交差点を北へ渡ると、正面に「水恩之碑」と書いた石碑(写真1)と、赤穂の上水道史の案内板が目につく。案内板によると、赤穂の上水道は1616年、当時の代官・垂水半左衛門の尽力でスタート。1944年に新しい水道ができるまで300年以上にわたって街を潤してきた。
遺構は残っていないが、千種川から取水した水がこの場所で、城下町と、開拓田のかんがい用へ分水されていたという。
石碑のすぐ北側にある約80段の石段を登ると、弘法大師を祀(まつ)る大師堂に出る。お堂を管理する常清寺(赤穂市加里屋)の本城憲雄住職が、大師の命日の毎月21日にお経をあげている。清潔感あふれる境内の地面には竹ぼうきの跡。お堂を大切に思う地元の人たちの気持ちが込められている。
大師堂の右奥に雄鷹台山の登山口。頂上までは1100メートル。5分ほど歩くと、大きな岩が現れた(写真2)。岩場を抜けると一気に視界が開け、振り返ると千種川にかかる赤穂大橋や海浜公園の観覧車までがくっきり見渡せた(写真3)。
登山道周辺で、何体もの石仏(写真4)を見かけた。常清寺の3代前の住職が募って有志が安置したという。弘法大師の四国霊場にちなんで88体ある。多くの石仏には花が供えられるなど今も大切にされている。
雄鷹台山は岩盤質のようで、道には大きな石がゴロゴロ、木も低いものばかり。日陰はほとんどない。登山道が山を切り裂くように頂上まで続いている。
鉄塔が見えてきたら7合目。ここから約10分で頂上に到着。歩き始めて30分たっていた。赤穂小学校卒業生の登山記念碑があり、そのそばになぜか大きな鉄棒があった。下界を見下ろす山のてっぺんで、クルリと回ってみるのも一興。暑さを忘れて気分爽快(そうかい)になるかもしれない。
■赤穂観光協会(0791・42・2602)
■常清寺(0791・42・2805)