立杭焼の里として知られる篠山市今田町。この山あいの里に「崑の村」を訪ねた。喜劇俳優・大村崑さん(75)の別荘を観光地化した施設。土曜、日曜、祝日の営業で入村は無料。歌や演芸、演奏会などが楽しめ、運がよければ崑ちゃんにも会える。
「村」は立杭集落東側の山すそにある(写真1)。約1400平方メートルの敷地内にある2棟の建物のうち、入口に近い方が土産販売や有名人の眼鏡コレクションなどの「崑屋」。外壁には「崑ちゃん」のオロナミンCの看板も。奥は母屋で、演芸会を開く舞台と食堂がある「大村座」。
取材したのは日曜日。「大村座」で崑ちゃん本人が、テレビでおなじみの笑顔で迎えてくれた。
「大村座」では、崑ちゃんの軽快なトーク、崑ちゃん主宰のお笑いタレント養成塾「有名塾」の塾生による歌のほか、落語、マジック(写真2)なども(演芸会は午後1時と3時から)。取材した日は塾歴1年余の笠谷京子さん(54)と塾歴6年の安福勉さん(56)のマジックをやっていた。崑ちゃんのサイン会(有料)や写真撮影(写真3)もできる。
川西市から親子3人で来ていた大西千智さん(22)は「初めて来たけれど、大村さんがいてびっくりした」。
大村座の舞台右手、ガラス戸を開けると囲炉裏のある仏間(写真4)に続く。広々とした縁側からは美しい田園風景を眺めることができる。「お客さんの中には、母と子がおしゃべりする横で、昼寝をするお父さんもいる。これがボクの狙い通りの姿」と大村さん。
大村さんは、神戸で生まれ育った。丹波は、戦後の食糧難の時に父親とよく歩いた。父の服や母の着物と食糧などを交換してもらうためだ。「なんでうちには田舎がないんや」「大人になったら丹波に自分の田舎を作ろう」と考えていたという。
「崑」と音が似た地名・今田(こんだ)も気に入り、選んだ。「立杭焼目当ての観光客に休憩や食事ができる場を」という当時の町長の意見を採り入れ1999年5月、棚田を整備して開村した。
崑の村(0795・90・3333)。「崑屋」は日曜のみ開店。崑ちゃんの来村予定は「崑の村」のHPで確認できる。