更新日:2007年7月18日
Vol.211:温泉だけじゃない有馬の魅力
写真1 写真4 地図


玩具博物館や「人形筆」

写真1

 有馬温泉に、有馬玩具博物館を訪ね、帰りに伝統工芸の「人形筆の店」ものぞいた。温泉だけではない有馬の魅力に触れた。
 神戸電鉄・有馬温泉駅から歩いて5分。玩具博物館は温泉街のほぼ中心にある。6階建てビルの3階から6階に、ドイツなどヨーロッパから収集した約4000点のおもちゃを並べている。
 各階でテーマを分け、上から順に「ドイツの伝統的なおもちゃ」「現代のおもちゃ」「現代のからくり/オートマタ(=イギリスのからくり人形)」(写真1)「ブリキのおもちゃと鉄道模型」を展示。
 6階にある木のミニチュアはドイツ・エルツ地方ザイフェンでロクロを使って製作。その細かな仕事ぶりに感心した。4階には「FUGU」という名のからくり人形があり、ハンドルを回すと、日本人らしき人物が妙な魚を箸(はし)で口に運ぶこと13回、首を垂れて死んでしまう。歌舞伎の八代目坂東三津五郎がフグ中毒で死んだことを耳にしたイギリス人が作ったという。同館スタッフの与謝野藍子さんは「からくりにはブラックユーモアを表現した物が多いようです」と話した。
 6階と4階では毎正時、5階と3階では毎時30分に「おもちゃガイド」があり(いずれも1日8回)、製作方法や仕組みを知り、実際に動く様子を見ることができる(写真2)。また、5階にはスイス・ネフ社の積み木などを手にとって遊べるプレイスペース(写真3)、4階にはボタンを押すとからくりを動かせるコーナーもある。
 この博物館は、西田明夫さん(現在の館長)と故・加藤裕三さんという2人のおもちゃデザイナーが、有馬で旅館・陶泉御所坊を営む金井啓修さんと知り合ったことがきっかけで、03年に誕生した。
 ビルの1階は工房で、工作教室を開くこともある(8月4、5、18、19日は、大阪音大の藤田隆さんの指導で楽器を作る。詳しくは同館へ)。
 玩具博物館の近くに、「有馬名産 人形筆製造元」という看板をかかげた灰吹屋西田筆店がある。人形筆は、字を書く時に筆を起こすと軸上部から可愛い人形が飛び出し、筆を倒すと隠れるからくりがある。筆軸は色とりどりの絹糸で市松、青海波、うろこ、矢がすりという4種の基本模様を組み合わせた装飾が施され、とても華やか(写真4)。
 同店は有馬で唯一「人形筆」を作り続け、約200年の歴史を誇る。製作の様子は店先から見学できるので、立ち寄って見るだけでも楽しい。

■有馬玩具博物館(078・903・6971)
入館料大人(中学生以上)800円、子ども500円。毎月第2、3火曜休館。
■灰吹屋西田筆店(078・904・0761)。

 

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に掲載されたものの転載です。

バックナンバーはこちら