更新日:2007年7月11日
Vol.210:騒音緩和へ広大な公園
写真1 写真2 地図

伊丹の今昔を探訪

写真3

 空港の街としてのイメージが強い伊丹市は戦国時代の遺構が残り、酒所としても知られる。梅雨の晴れ間に市内を歩き、今昔を探訪した。
まず訪れたのは有岡城跡。1574年に城主となった荒木村重が、主君の織田信長に背いて攻められ、同79年に落城した。築城法は本城、侍町、城下町を土塁と堀で囲み、東に主郭、北・西・南に砦(とりで)を配した「惣構え」。信長の大軍の攻撃にも約10カ月、耐えたという。現在はJR伊丹駅前の一角に、野面積みの石垣や土塁、復元された礎石建物跡と井戸跡が見られるのみ(写真1)。周囲のざわめきとは反対にひっそりとした場所で、戦国時代に思いをはせた。
 次は城跡から北東へ歩いて10分弱の「みやのまえ文化郷(ぶんかのさと)」へ。約3800平方メートルの敷地に市立伊丹郷町館、美術館などが集まる市の文化ゾーンだ。郷町館は、町屋形式の管理棟=新町屋、酒造業を営んだ旧岡田家住宅(写真2左)、商家だった旧石橋家住宅(写真2右)で構成。各住宅の解体・復元などと併せて6年前に開館した。

 旧岡田家は1674年建築の町屋で、酒造りに使ったとされる酒蔵は1715年ごろの建物。主要部分や土間の梁(はり)などに当時の構えを良く残す、国の重要文化財(店舗・酒蔵)だ。漆が施された天井が、酒造業者の栄華を思わせる。酒蔵では、パネル展示やビデオ上映で伊丹の酒造りを知ることができる。
 旧岡田家は土間からの見学だが、旧石橋家は実際に部屋に上がることができる。趣ある部屋で、江戸時代の献立で作った弁当(1日50食限定。予約制)を日本庭園を眺めながらいただくこともできる。
 最後はやはり飛行機見学。JR伊丹駅から東へ約1キロの伊丹スカイパークは、伊丹空港に隣接する3.8ヘクタール(来年の完成時には8.6ヘクタールになる)の広大な公園(写真3)。航空機騒音の緩和を目的に、1993年から国・県・市が整備している。高さ約7メートルの芝生の丘から見る航空機の発着は迫力満点。取材した日には、数人のアマチュアカメラマンがカメラを構えていた。園内には巨大迷路や滑り台などもあるので、子ども連れにぴったり。夏休みの写生スポットにも良さそうだ。

■市立伊丹郷町館(072・772・5959)無料。月曜休館
■伊丹スカイパーク(072・780・3521=伊丹市公園整備課)入場無料。無休。

 

※この記事は、朝日新聞読者にお届けしている「あいあいAI 」(播州)に掲載されたものの転載です。

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