「波止場町TEN×TEN」。なんのことか分かりますか。喫茶店、劇場?違います。ひとことで言えば、いろんな創作活動をしている人たちの活動拠点。建物は、海運業のコンクリート上屋を改築したもので広さは2600平方メートル。昨年2月にスタートした巨大なアトリエ・「ミナトもの創り匠館」(写真1)は立ち入り自由。さっそく訪ねてみた。
所在地は、神戸市中央区波止場町。近くに神戸ポートタワー(写真2)やメリケンパーク、ハーバーランドがある。
アトリエの内訳は作家ブースが50(1区画8〜38平方メートル)、ギャラリーブース5、ワークスペース2、ほかに220平方メートルの大ホールなど。
作家ブースの主は、20−80代の陶芸家、画家、家具職人、革ひも加工職人(写真3)、帽子作家、彫金家、アクセサリー作家ら様々。みんな「世界にひとつ」のモノ作りを目指して打ち込んでいる。
作家同士の交流があり、互いに刺激を与え合っている。藤本ハルミさんはパリ、フィレンツェなどでファッションショーを開くなど世界的に活躍するオートクチュールデザイナー。ここでは商売をするのではなく、若手作家の応援をしているという。「若い人の情熱やエネルギーを感じたとき、ここに来てよかったと思うわね」と藤本さん。
ビーズ、ペーパークラフトなどを作る「マザーダック」の速水智恵さんは、情報発信の場としても利用している。「神戸日中交流促進協会」理事という顔も持ち、中国での植林など協会の活動を多くの人に知ってもらいたいと願う。
ワークスペースではヨーロッパ刺繍(ししゅう)、押し花アートなど約10種類のものづくり体験ができる。コンサートやファッションショーが開かれる「壁画ホール」(写真4)もある。「ゆるやかな時間が流れていて、癒やされる空間でしょう」とNPO法人神戸グランドアンカー理事長の村上和子さん。
震災後、昔ほどの活気がない、といわれる神戸に元気を取り戻そうと、神戸グランドアンカーと神戸市が共同でTEN×TENを発足させた。TENには10のほかに店舗、展示・展開、起点などの「てん」の意味も込められている。
波止場町TEN×TEN(078・351・1335=NPO法人神戸グランドアンカー)。午前11時−午後7時。水曜休館。入場無料。