


「垂水なぎさ街道」。JR山陽線の塩屋駅から、並行する山陽電鉄の西舞子駅付近まで、神戸市垂水区内の約7.7キロ。国道2号や海岸に設けたウオーキングコースの愛称である。垂水観光推進協議会が名付けた。沿線には名所旧跡もあり、正月の飲み疲れ、食べ疲れでなまった体を鍛えるだけでなく、歴史散歩にもなりそうだ。
取材の日は、山陽西舞子駅から東へ歩いた。国道沿いに約5分で舞子六神社。イザナギ神など6神をまつっており(写真1は本殿)近くの延命地蔵と同様、海上と地域の安全を守っている。
国道に戻り、しばらくすると勝海舟が設計したという舞子砲台の跡に着く。石敷きの遺構を見ることができる。
砲台跡の近くには国指定重要文化財の孫文記念館・移情閣がある。もとは中国人貿易商・呉錦堂が建てた別荘で、孫文がよく訪れたという。雨にかすんで見える明石海峡大橋を背景に、八角三層の楼閣がとてもファンタジックだった(写真2)。
移情閣前からは、波打ち際を歩く。夏は海水浴場になる人工海浜のアジュール舞子(写真3)に沿って約15分。神戸の漁業を紹介する「さかなの学校」や、レストランとアウトレットモールの「ポルトバザール」があるマリンピア神戸に到着。ここがようやく街道の中間地点。
休憩を終え、約10分歩くと、海神社の朱塗りの大鳥居が目に入る。JR、山陽の両垂水駅がすぐそばだ。
さらに国道沿いを進むこと約10分。垂水年金会館の脇を抜けると、メダカなどの生物の棲息(せいそく)場所として環境整備されたビオトープ、展望広場のある恋人岬に到着。海の眺望がすばらしく、その名の通りカップルに人気があるようだ。伊豆市の恋人岬のように2人で鳴らす鐘は無いが、広場の手すりには、幸せを願うカップルの錠前が名前入りで掛けられていた。
最後は、芝生や桜などの木々がきれいな平磯緑地。アップ、ダウンのある小道を20分ほど歩くと、柿本人麻呂が垂水の地を詠んだ「天離(あまざか)る夷(ひな)の長道(ながち)ゆ恋ひ来れば 明石の門(と)より大和島見ゆ」など、六つの歌碑がある。緑地の東端は「万葉歌碑の道」となっている。
15分ほどで終点のJR塩屋駅。ここまで約110分かかった。
「垂水なぎさ街道マップ」があり、垂水区役所(078・708・5151)で手に入る。